Q&A 学生からの質問に、社会人がお答えするコーナー

「入社してすぐに、自分がやりたいことができるかどうか」

「入社してすぐに、自分がやりたいことができるかどうか」「相談会2005 in 東京」で取ったアンケート項目「環境分野の就職をするにあたり、一番不安に感じていること何ですか」において、多かった回答です。「やりたいこと」を重視する就職活動が主流となるなかで、「やりたいことは見つかったけど、すぐにやりたいことができるんだろうか」と悩む学生が増えているようです。当相談会でも、「企業の環境部には一年目からは配属されない」ことを訴えています。この学生の悩みについて、数名の社会人からメッセージを頂きました。

■Aさん:
まず、前提として「やりたい」と「出来る能力」があるかは違います。例えば、「環境部署に入りたい」と決まっていても、「環境部署では何をするか、どんな能力が必要とされているか」知らない場合も。。。それから、「環境部署」では現場の経験が非常に役に立つので現場を経験した人が環境部署に配属されることが多いというのが今までの流れですが、そういう情報もあまりなかったりして。
だから、大前提として「環境就職でやりたいことが出来るか」以前に仕事とその要求される能力について知って「本当に『やりたい』と言っていても出来るのか?」ということを認識することが必要な気がします。まあ、これは普通の就職も一緒かもしれませんが。
これが出来て初めて、「やりたい」という提案が出来るのでは?それから、環境というのはどこの部署にも関わっていますし今はCSR(企業の社会的責任)との絡みも多くなってきています。
ですから、専門性以外にもコミュニケーション能力が必要ですし幅広い知識も必要です。
それから、すぐその希望の部署に就けるかよりも長期的に自分のキャリアをイメージしてやりたいことが出来るよう計画しましょう。すべてが遠回りとは限りません。

■Bさん:
環境はどの分野にも関わります。だから、希望の部署ではなくても、能力と意欲があれば、やりたいことを自分で提案して、作ってしまいましょう!もちろん、会社のリソースや方向性で制限はあるかもしれませんがきちんと上司が実行可能と認めればやらせてくれるでしょう。
たとえば、マーケティングでも「環境広告」というジャンルはありますし、研究開発でも「DfE、LCA、FactorX」など人事でも「社内の環境教育や啓発」など関連は様々。よい提案が出来るように、どんどん学んで、どんどん知識をつけて、ちゃんと認められるようになれるよう頑張って下さい。ただ、すぐに認められるとは限らないのでめげずにコツコツと。
まあそれなりの知識と能力を身につけましょう。あと、長期的な視点を持つことも大事です。個人的には、そんなに短期的に考えなくともいいのでは?と思います。何せ私が新卒で就職したときには「環境就職」のパイが今より全然狭く、当然希望は木っ端微塵(笑)でしたが、今は希望の職に就いています。

■Cさん:
仕事って、いろんな能力が必要だし、それって仕事しながら、身につく部分も大きいよね。学生からいきなり社会人になって、「やりたいことをやりたい」というのはちょっと先走りすぎで、もっとキャリアプラン全体で見るべきでは。
特に、環境関係で就職を考えている学生さんを見て、そう思いますね。たとえば、自分のやりたいことがあって、それには、これとこれと、このスキルが必要。で、それを自分が身につけるには、どういう職歴を経て、○年後に携わる、という目標をたてる、みたいな。
たとえば超極端な話、今、僕が環境大臣になっても、きっと思うような成果はあげられないね。想いだけじゃだめで、いや、それが一番大事なんだけど、でも、冷静に自分の能力を見つめることも大事、ということだよね。それができていると、就活でも成功するんだけど、できていない人は、うまくいかないことが多いよね~。
だから、結論、キャリアトータルで考えてみること、かな。

■Dさん:
やりたいことがあるなら、どんどん提案してみて下さい。熱心に自分を売り込んでいけば、入社してすぐに環境に関する仕事に採用してくれる可能性はあります。しかし、言われたことだけをこなしていたり、ただ待っていても、基本的に1年目のあなたに、環境に関する仕事を振る会社はないと思います。
また、「今までに一年目から環境部への配属がない」という場合、その過去に嘆くのではなく、頑張ってあなたが第一号になればいいのです。

■Eさん:
大学時代は、環境活動に明け暮れる。もちろん環境を仕事にしたかったが、希望していた環境系の仕事(主にコンサル)では内定をもらえず、企業の環境部でも希望して入れる人はほとんどいないと聞いていた。趣向を変えて、ITで便利な社会を創っていく仕事をしてみようと営業職で電気・ITメーカーへ。
入社も近いある日、ある環境イベントで内定先の環境部長さんとばったり知り合う。後日、「環境部に来ないか」と連絡をもらう。環境部では、環境への熱い思いをもった人が欲しいとのこと。諦めていた環境を仕事にできる喜び!やった~!! でも、結局、環境部では働けなかった。
キャリア形成の観点から、数年は営業等の一般的な仕事に就くべきだとの人事部の意見で。残念だった。大手企業と言えども、環境部は片手で数えることのできる人数。いつ次に空きポストができるのか‥。そのとき私に人事異動がでる確率は‥。やはり、環境部以外のところで、自分の道を創っていかなければならないと思っている。

■Fさん:
「やりたい」事なんて、自分の内からは見つからないもの。特に現代日本人には、絶対的な価値観がないから(注1)。
でも、外からは決められる。
「自分の幸せ=社会全体の幸せ」とすれば(利己主義にならない)、社会全体の幸せのために社会に必要な事を見出し(注2)、自分の能力や喜びを感じること等を重ね合わせて、重なったところが、やりたいこと、すなわち社会的ニーズがあり、自分の能力も活かせて、好きでやりがいのある仕事となる。
就職活動には、そう考えて仕事を探して欲しい。
そうでなければ、経済成長はあっても、社会的価値の増加(社会発展)はしない。やりたい事なんてない。やりたい事はつくるもの。

  1. 注1:それが市場経済(お金)になっている感はある。法を守れば何やっても儲かれば良いと、ホリエモンが当時称賛されていたのはその一端ではないか。
  2. 注2:社会全体に必要な事は、自分で考える必要はない。むしろ、社会全体なり、それを立案する役割を持った人で考え、合意し、社会で共有された方が、効率的に社会発展ができる。