環境就職がわかる!・連載よみもの えこわーくトリビア〜素晴らしき環境就職〜 第9回:「環境就職の「不安」を考える。」
執筆:エコ・リーグ キャリアサポート部長 小林功英 毎年12月に全国各地で開催される、エコ・リーグの「環境」就職・進路相談会。この相談会の東京会場において、参加者にアンケートを行っている。その中で、「環境分野の就職をするにあたり、一番不安に感じていること何ですか」という項目に回答して頂いているが、この回答を5種類に分類し、それぞれの不安に対する考え方をアドバイスしたい。 ■専門知識を持っていなくて不安です
例: ・文理共通学科のため理系知識が乏しく、就職の幅が狭くなるのではないか。 ・学部卒でも大丈夫なのか。 ・今の自分の知識で仕事ができるかどうか。
・自分のいる学科が環境系ではない。 ・大学で学んだ知識がどう役立つかはっきり見えてこない。 こんな風に考えてみよう!:
学生は、企業は「専門知識を持った学生を採用したい」と考えているようである。果たして、本当にそうだろうか?最近発表された経済産業省の「社会人基礎力」に関する調査にもあるように、企業が学生に求めているのは、コミュニケーション能力や熱意、学習する姿勢など基礎的な能力である。学生に「知識」を求めていないのである。そもそも、どこの誰が、「企業は専門知識を求めている」と言っているのだろうか。
専門知識や資格がないからといって、何も気にすることはない。気にすべきはそこではない。採用担当者は、大学で何を学んだか、ではなく、あなたは何ができるのか、を聞きたがっているのである。
■入社してからやりたいことがすぐにできるの? 例: ・入社してすぐには環境職が出来るのか。
・本当に自分がやりたい仕事を出来るのか。 ・希望の職務内容に初めから就けるか? こんな風に考えてみよう!:
やりたいことをするためには、それをするだけの能力や経験が必要になるので、まずは会社にそれを認めてもらわなければならない。「初めからやりたいことがやりたい」というのは、野球の初心者が「俺を四番バッターにしてくれ」と言っているようなものである。最近では、「やりたいことを見つけなさい」と、やりたいこと至上主義になっている傾向にあるが、仕事とは本質的に「やりたいこと」をやるのではなく、会社であったりお客さんの「やりたいこと」に応えることである。
ただ、やりたいことがあるなら、どんどん提案すればよい。熱心に自分を売り込んでいけば、入社してすぐに環境に関する仕事に採用してくれる可能性はある。しかし、言われたことだけをこなしていたり、ただ待っていても、基本的に1年目の社員に、特に環境に関する仕事を任せる会社はない。また、「今までに1年目から環境部に配属した実績がない」という会社であれば、その過去に嘆くのではなく、頑張ってあなたが第一号になればいい。
「ルールがなければ、自分で提案して作る」 くらいの気持ちが必要である。 ■環境は利益に繋がりにくいのでは? 例:
・環境なかなか利益に繋がりにくいのではないかと思うので不安。 ・環境のために働くのか、企業のために働くのか、というジレンマがある。 ・本当に世の中のためになるのか、良く分からない。
こんな風に考えてみよう!: お客さんのニーズに応えて対価をもらうことが仕事の本質であるから、「お金を出してでも環境をよくしたい」という人が増え、また、それらの人のニーズに応えるビジネスを展開している会社であれば、必ずしもジレンマは起きない。また、約500万弱もの企業がある中で、経営方針に共感する会社が全くないのかどうか。あなたは、国内の企業数で言えば1%にも満たない大手企業ばかりを見ていないだろうか。
あるいは、NPOの「非営利」という言葉に惑わされていないだろうか。 中小企業やベンチャー等も研究をして、自分に合った会社選びをしてみて欲しい。
もし、それでもなかった、という場合には、環境のための活動は、例えば仕事外にボランティアで行うなどを考えても良い。自分なりの関わり方は幾らでもあるので、それも探してみるべきだろう。
■採用口が少ないのでは?収入が少ないのでは? 例: ・環境に関わる仕事は募集が少ない。
・環境に熱心に取り組んでいる企業が少ない? ・収入が安定するか。 こんな風に考えてみよう!: 採用が少ないと考える前に、「環境の仕事ができる会社」とは、どのような会社なのかをじっくりと考えてみる必要がある。相談会の東京会場では、2002年度より、参加者に「「環境問題に取り組んでいる企業」と聞いて、どこをイメージしますか?」というアンケートを行っており、毎年、トヨタ自動車の環境イメージは群を抜いている。しかし、果たしてトヨタ自動車に就職することが「環境就職」なのだろうか。シンポジウムのパネラーやカウンセラーが口を揃えて言うように、「環境の仕事」はどの会社でも出来きる。というより、環境を考えなくても良い会社などないのだから、「どこの会社に行けばできるか」ではなく、どんな会社ででも「どのような態度で仕事をするか」という自分自身の問題となってくる。
また、収入が安定するか、については、環境の仕事は自分次第でどんな会社でも出来るわけだから、収入の安定した会社を希望すればよい、ということになる。
■環境分野は広すぎる! 例: ・環境への関わり方が多すぎて、説明されてもピンと来ない。だから、自分がどういう関わり方をしたいのかも見つかりにくい。
・環境の分野が広いので、どのような仕事があるのかを把握しきれておらず、考えが知ろうとするほど漠然としてしまうこと。 こんな風に考えてみよう!:
環境問題は多岐に渡り、また、「関係のない企業や分野」はないので、関わり方については悩むところである。そういう場合は、いったん環境のことを考えないで進路を考えてみて欲しい。環境「以外」でやりたいことを探してみるのだ。業種や職種でも、趣味でも何でも構わない。そうしていくつかを考えてみたときに、今度はそれと環境を関連付けてみる。環境から考えるよりも、何かと環境を結び付けて考えてみると、関わり方が見えやすくなるだろう。
*この記事は、2005年に学生NGOエコ・リーグ(全国青年環境連盟)の機関紙「ECOLEAGUER」に連載されているものです。
第1回:「環境部のお仕事をしてみる。」
第2回:「シンクタンクのお仕事をしてみる。」
第3回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(上)
第4回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(下)
第5回:「特別編〜やりたいことが分からなくなった〜」
第6回:「環境教育のお仕事をしてみる。」
第7回:「女性環境起業家にインタビュー」
第8回:「環境省のお仕事をしてみる。」
第9回:「環境就職の「不安」を考える。」
第10回:「即戦力とは何かを考える。」
第11回:「専門知識は重要か?」
第12回:「農業のお仕事をしてみる」
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第13回:「就職活動の棚卸し」
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*この記事は、青年環境NPOエコ・リーグ(全国青年環境連盟)の機関紙「ECOLEAGUER」に連載されているものです。
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