環境就職がわかる!・連載よみもの
えこわーくトリビア〜素晴らしき環境就職〜

第3回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(上)

執筆:エコ・リーグ キャリアサポート部長 小林功英

■溢れかえっている言葉

 就職雑誌を見ると、「コンサル」は、必ず人気業界として挙げられている。雑誌や広告でも、「コンサル」の文字が溢れ、かく言う筆者も、厚生労働省が言うところの「キャリア・コンサルタント」の資格を持っている。しかし、「コンサルティング」っていったい何だろう?

ためしに、インターネットで「コンサルタント」「コンサルティング」を検索してみた。戦略、経営、ITなどに続き、情報セキュリティや環境などのISOコンサルティング、はたまた、防虫対策、競馬予想なんてものまで、なんと100種類以上も「○○コンサルティング」があった。

確かに、クライアントの課題を解決するのであれば、競馬でも何でも良いといえる。「「コンサルティング」は、「サービス業」くらいのニュアンス。ほとんどの業界にコンサルタントはいると思いますし、そのくらい広い言葉ですね」とは、ある経営コンサルタントの言葉。

しかしながら、コンサルタントになりたいのであれば、「お客さんのニーズや課題を読み取る力があって初めて成立する仕事。「自分がやりたいこと」ではなくて、「お客さんがやりたいこと」を実現するために何が出来るかを考えることが重要(独立系ISOコンサルタント)」である。だから、コンサルタントを志望する前に、誰のニーズに応えたいのか、まずははっきりさせた方が良い。

今回は「環境コンサルタント」でも、ISOコンサルタントに絞って、「コンサルティング」をしているのかを見ていく。次回は、国や自治体などを対象にコンサルティングをする「環境コンサルタント」の仕事を紹介する。

 

■具体的にはどんな仕事をしているのか

環境ISOコンサルは、クライアントがISO14001の認証を取得するお手伝いをすることが仕事である。この仕事の区切りは次のように考えられる。

まず、クライアントからISO14001の認証取得をしたい、という依頼があるとする。そうしたら、「平成○○年○○月○日までに登録証が手元に届いていること」という工期を決める。それでは、そのためには何をしなければならない、ということを逆算して組み立てていく。

その後、クライアントの職場に行って、各部署の代表者を集めてディスカッションをし、各部署から「こういうことをする」という取り組みをまとめたり、いや、やりたいのは分かるけど、会社の方針はこうだから今やるのは適切ではない、とか、それでは次回までにこのくらいのところまで進めよう、等の議論をコーディネートしていく。また、社員に対して、環境経営の講義を行うこともある。要は、プロジェクト・マネジメントである。コンサルタントによってその進め方は異なるものの、本質的には「企業等が環境配慮を進めるための黒子。クライアントによって取り組み方が変わるから、それに合わせてこちらも提供する中身が変わってくる(大手ISOコンサルタント)」のである。そのようにして、環境管理をするための体制を具体的に作っていく支援をするのだ。だから、コンサルする期間もクライアントの希望によってまちまちだし、議論が毎回スムーズにいくとは限らない。いきなり夜中に呼び出される、ということもあるという。そして、最低でも5、6件のクライアントを掛け持ちするので、「帰宅時間とか勤務時間という概念は、基本的にない(独立系ISOコンサルタント)」。仕事漬けになることは覚悟した方がよさそうだ。

■具体的な一日のスケジュールは

クライアントによって仕事の進め方が異なるので、1日として同じ日がないのもコンサルの特徴。ただ、作業で多い順番に3つあげるとするなら、「お客さんの社内文書に目を通す、メールチェック、プロポーザルやプレゼンテーション資料作り。遠方のお客さんは、ある程度メールでやり取りする。メールの添付ファイルを開いて、赤入れ、コメントを入れたり。それは、移動電車や飛行機の中でやっていますね。とにかく、事務所で机に向かっている時間の方がはるかに少ない。ルーティンな作業も、日報書きくらいですね(独立系ISOコンサルタント)」ということになる。

■どういうタイプだったら長続きしそうか。

コンサルティングを通じて何がしたいのかが明確であればあるほど、長続きするといえる。何故なら、環境コンサルタント業界は供給過剰で、仕事もなかなか取れないし、仕事の単価も下がってきているからである。その中で、ただ「コンサルをやりたい」と言うだけでは、仕事のモチベーションが続かない。その仕事を通じて何をしたいのか、その先に何を目指すのか。コンサルになって終わりじゃなくて、その先に何がしたいのかがないと、挫折してしまうだろう。

■コンサルは、果たしてカッコいいのか?

学生がコンサルに憧れるのは、「カッコよい」というイメージがあるからかもしれない。そういうコンサルのイメージに対して、大手ISOコンサルタントは次のようなコメントをしている。「よいイメージを持って希望しても、ショックを受けるだけでしょうね。非常に地味だし、重箱の隅を突っつくような泥臭い仕事です。」また、別なISOコンサルタントは、「作業的には、段取り・準備が9割、お客さんの前でちょっとかっこよくプレゼンするのが1割ないですね。「段取りの部分」がどんなに大変かを分かって欲しいです。カッコよく見えるのは、そう見せなければクライアントが依頼しない。「あそこに頼めば何とかしてくれる」と思わせないと仕事が取れないからです」と強調する。

コンサルタントを目指したいのであれば、どのようなクライアントの課題を、どのように解決したいのか、ということをもう一度考えてみてはどうだろうか。


第1回:「環境部のお仕事をしてみる。」

第2回:「シンクタンクのお仕事をしてみる。」

第3回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(上)

第4回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(下)

第5回:「特別編〜やりたいことが分からなくなった〜」

第6回:「環境教育のお仕事をしてみる。」

第7回:「女性環境起業家にインタビュー」

第8回:「環境省のお仕事をしてみる。」

第9回:「環境就職の「不安」を考える。」

第10回:「即戦力とは何かを考える。」

第11回:「専門知識は重要か?」

第12回:「農業のお仕事をしてみる」 NEW!

第13回:「就職活動の棚卸し」 NEW!

 

*この記事は、青年環境NPOエコ・リーグ(全国青年環境連盟)の機関紙「ECOLEAGUER」に連載されているものです。



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