環境就職がわかる!・連載よみもの
えこわーくトリビア〜素晴らしき環境就職〜

第1回:「環境部のお仕事をしてみる。」

執筆:エコ・リーグ キャリアサポート部長 小林功英

■企業の「環境部」のお仕事

「ISO14001の認証取得!!」

 新聞や企業の広告を見ていると、こんなコピーを目にしたことはないだろうか。企業の環境への取組は加速している。環境関連の法整備も整ってきたことに加え、自主的な管理としての「環境マネジメントシステム(EMS)」を構築する企業が増えているのだ。「環境部」とは、組織の環境経営の司令塔として、環境方針や目標を立て、各部署の取組を促し、評価し、環境報告書等により外部へと発信していくことを仕事としている。

■組織内での評価は

 ただし、内部の社員にしてみれば、はた迷惑、ということも少なくない。彼らからすれば、環境報告書への執筆など「余計な仕事」を増やすのが環境部、という認識もあるし、「「カネを稼がない部署」「カネばかり使う部署」として、けむたがれることもある(大手企業の環境部社員)」のが現状だ。環境に熱心とされる企業であっても、全ての社員が「環境関連部署の存在」を知っているわけではないという。

■どんな一日を過ごしているんだろう

では、彼らはどのような日々を過ごしているのだろうか。あるAさんの一日を見てみよう。まず、朝8:30に出社、社内報などを確認する。9:00に就業し、メールチェックなどを行う。11:00より、社内ミーティングが1時間半ほどあり、12:30に昼食をとる。午後からは、社外ミーティングが二本。これで17時になってしまう。その後は、プレゼンテーション資料作りなどで、21時まで残業して退社。23時に帰宅。

基本的には、ミーティング、接客、プレゼンテーション用など資料作成が大半の仕事の時間を占めている。もちろん、環境報告書作成時にはもっと忙しくなるし、社外での情報収集は欠かせない。また、NPO等から講演依頼等もある。

■で、採用はどうなのか

 で、気になる採用は。有名大手企業の環境部社員に聞いた。「一年目からの採用の実績はあるのか」。答えは・・・NO!残念ながら、一年目での採用はない。何故なら、環境部は、「環境」というキーワードで様々な部署を串刺しにする課であり、社内における環境経営のブレインだからだ。逆に言えば、社内における人脈と、社内外の知識と経験を幅広く持っていなければ、居ても何もできない。「会社の強みを活かした環境活動」だって、会社の現場を知っていなければ、机上の空論となる。だから部署の最低年齢も、有名なトヨタでも20代後半、IBMになると40代となる。

別な企業の担当者は言う。「よく、「配属されるには、どのような専門知識が必要なのか」と聞かれることがある。必要なのは専門ではなく、苦手分野をなくすこと。国際的なやり取りで英語も話せるし、営業も分かるし、システムも分かるし、化学物質もある程度分かる。「これはできるけど、あれはできない」、では務まりません。」学生は、「即戦力=専門が必要」だと思い込みがちであるが、環境部のようなトータルコーディネートが必要な仕事では、英語をはじめ教養や幅広い知識が求められる。

 ただし、全ての企業で、というわけではない。ある企業の採用担当者は、採用のポイントの一つに「環境マインドを持っている」ことを挙げた(それが「最優先の条件」ではない)。また、別な企業では、新卒での環境部配属があった。ただ、その人は・・理系の大学院修了。学部生での新卒採用はまだまだ先の話かもしれない。

■じゃあ、どうすればいいのか

 環境部は「司令塔」であり、「実際に環境活動」をするわけではない。実働部隊は、あくまで会社の全部署である。だから、どんな部署でも、その特徴にあわせた環境の取組がある。環境就職においては、「環境に取り組んでいる企業」かどうかではなく、「自分に合った環境活動を行えそうな部署に配属されるか」の方が、もっと重要なのだ。


第1回:「環境部のお仕事をしてみる。」

第2回:「シンクタンクのお仕事をしてみる。」

第3回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(上)

第4回:「コンサルティングのお仕事をしてみる。」(下)

第5回:「特別編〜やりたいことが分からなくなった〜」

第6回:「環境教育のお仕事をしてみる。」

第7回:「女性環境起業家にインタビュー」

第8回:「環境省のお仕事をしてみる。」

第9回:「環境就職の「不安」を考える。」

第10回:「即戦力とは何かを考える。」

第11回:「専門知識は重要か?」

第12回:「農業のお仕事をしてみる」 NEW!

第13回:「就職活動の棚卸し」 NEW!

 

*この記事は、青年環境NPOエコ・リーグ(全国青年環境連盟)の機関紙「ECOLEAGUER」に連載されているものです。



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